拙著『デジタルウィズダムの時代へ』に関するITジャーナリスト佐々木俊尚さんのインタビュー

ITジャーナリストの佐々木俊尚さんが私の研究室にインタビューに来て下さいました。拙著『デジタルウィズダムの時代へ』を読んで、以下のコメントを書いてくださいました!感謝です!

18527935_10208789171156385_3681883890341296159_n「早稲田大学文学学術院教授の高橋利枝さんが書かれた昨年秋の本『デジタルウィズダムの時代へ』。電気通信普及財団の「テレコム社会科学賞」を受賞されたということでアカデミズムの世界では評価されているようですが、(値段が4千円と高いこともあり)一般にはあまり知られていないようです。

◆『デジタルウィズダムの時代へ』(新曜社サイト)
 http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuro…/…

でもこの本、非常に素晴らしい。私はうっかり読んでおらず、この春になってから初めて通読して、感動しました。テクノロジと社会のかかわりに興味を持っている人、SNSやメディアが社会にどう影響を与えつつあるのかを知りたい人には、必読の内容だと思います。

重要なポイントは、メディアと人間の関わりを「相互作用」という視点で捉え、その相互作用を複雑系の数理で解き明かそうとしていること。この発想は、特に人文系の学問的な視点からはいままでほとんど出てなかったと思います。

インターネットというメディアを、マスメディアのような上流・下流工程や、あるいはジャーナリストという個人の「こころざし」のような情緒的なものとしてでなく、受信側と送信側がくるくると入れ替わり続ける相互作用として捉えていくというのが、本書のアプローチ。

これはまさにいま必要な概念整理で、これをサイバネティクスや複雑系などの概念を援用し説明されているあたりに、ぐいぐいと読まされました。

また戦後の社会学者中根千枝の仕事から、日本のソトとウチの構造を引き出し、しかしそこで終わらずに、つねにこの構造から脱埋め込みして、しかもそこでソトとウチが相互作用し、それぞれが再創造されているというあたりの分析も、非常に鋭利です。

また若者のSNSやメディアの利用について、徹底的なフィールドワークも行われていて、そのエスノグラフィも非常に読みごたえがあります。

サイバネティクス的な相互作用や「べき乗則」、さらにはAIの深層学習が、近代の世界の古い因果律を乗り越えつつあり、この先には機械の物語の時代がやってくる。私は最近そういう問題意識を抱いていて、いまそういう本を書こうとしているのですが、その視点からも本書は直球でした。ぶ厚くてけっこう読み解くのはたいへんなところもありますが、お勧めです」

ということで今回は早稲田大学に訪問し、実際に高橋教授にお話を聞かせていただきました! ぜひ著書とともにインタビュー記事をご覧になり、内容理解を深めていただければと思います。(LM事務局メンバも拝読し、さらにこちらの記事を読むことで、感銘を受けました。本当に素晴らしい内容です)

LIFE MAKERS (佐々木俊尚主宰)公式サイト:http://lifemakers.jp/ 

About Toshie Takahashi

Toshie Takahashi is Professor in the School of Culture, Media and Society, Waseda University, Tokyo and Faculty Associate at the Harvard Berkman Klein Center for Internet & Society. She has held visiting appointments at the University of Oxford and the the University of Cambridge as well as Columbia University. She conducts cross-cultural and trans-disciplinary research on the social impact of robots as well as the potential of AI for Social Good. 【早稲田大学文学学術院教授。ハーバード大学バークマンクライン研究所ファカルティ・アソシエイト。ケンブリッジ大学ならびにコロンビア大学客員研究員。現在、人工知能の社会的インパクトやロボットの利活用などについて、ハーバード大学やコロンビア大学、ケンブリッジ大学と国際共同研究を行っている。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会テクノロジー諮問委員会委員。】
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