近刊!高橋利枝「デジタル・ウィズダムの時代へ :若者とデジタルメディアのエンゲージメント」新曜社、2016年。

高橋利枝『デジタルウィズダムの時代へ:若者とデジタルメディアのエンゲージメント』新曜社、2016年。

変動する世界
私たちはこれまで経験したことがないような「変動の時代」に生きています。ウェアラブルや人工知能(AI)、ビッグデータ、ロボット、モノのインターネット(IoT)など、革新的な技術が次々と登場し、「第4次産業革命」と呼ばれています。加速するグローバル化とデジタル化によって、私たちの日常生活は新たな「チャンス」と「リスク」に満ち溢れているのです。

デジタル・メディアは、ビジネス、政治、経済、教育、医療、スポーツなど至る所に入り込んでいます。携帯電話やインターネットは私たちの日常生活において様々な人やモノ、文化を結びつけ、グローバル化を推し進めています。情報やニュースはインターネットにのって世界中を駆け巡り、一国で起きた経済危機は、あっという間に世界経済をも揺るがすのです。

デジタル技術は私たちの身の回りにある多様なメディア(例えば、テレビやラジオ、インターネット、携帯電話)を融合しています。スマートフォンはもはや電話の進化形ではなく、音楽を聴いたり、映像を見たり、情報にアクセスしたり、写真やビデオを撮って動画共有サイトに投稿できる、手のひらの上にのる小さなコンピューターと言ってもいいでしょう。若者たちは、リビングにあるテレビばかりでなく、スマートフォンやパソコンでNetflix やHulu(動画配信サービス)、YouTubeやニコニコ動画(動画共有サイト)などにアクセスし、世界の様々なテレビ番組や動画を視聴しています。そして次々と現れるソーシャルメディアは、グローバル規模に成長し、世界中の人々の日常生活の写真や動画で溢れ、国境を越えてコメントやメッセージが飛び交っています。

今日の若者はこのような変動する世界の中で生まれ育っているのです。

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「selfie(自分撮り)」: オックスフォード辞書オンラインによると、「selfie(セルフィ)」とは「スマートフォンやウェブカメラで自分自身を撮影し、ソーシャルメディア上でシェアされた写真」をいう。 http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/selfie

デジタル・ネイティブ:チャンスとリスク
現代の若者が、生まれた時からデジタル・メディアに囲まれ、日常生活の多くの時間をメディアに費やしていることから、「デジタル・ネイティブ」や「サイバー・キッズ」、「ミレニアル」と呼ばれてきました。アナログ時代に生まれた大人たちとの違いが強調され、若者のメディアとのエンゲージメント(関わり)が、政治や経済、社会や文化など、あらゆる局面に置いて世界的に注目されています。

デジタル時代を生きる若者たちにとって、特に、スマートフォンや、TwitterやFacebook、LINEなどのソーシャルメディアは、重要な役割を果たしています。友達や家族との絶え間ないつながりや、情報収集、協働や共有など、これまでにない新たなチャンスを提供しています。しかしその一方で、ネットいじめや個人情報の流出、ネット依存など、情報コミュニケーション技術の進歩に伴うリスクに出会う可能性も多いのです。

デジタル革命、グローバル時代における新たなチャンスを最大限に享受し、リスクを最小限にするにはどうしたらいいのでしょうか?

デジタル・ウィズダム:デジタル革命、グローバル時代を生きるために必要なリテラシー

本書では、「なぜ若者はメディアと関わるのか?」という問いを出発点とし、日・米・英の三ヵ国における詳細なインタビューと参与観察から、情報コミュニケーション技術がもたらすチャンスとリスクについて明らかにしていきます。今日活発に議論されている「グローバル人材」、「メディア・リテラシー」、「リスク・マネジメント」などにアプローチし、その課題と具体的な方策について考察していきます。そしてデジタル革命、グローバル時代を生きるために必要な「デジタル・ウィズダム」について考えていきたいと思います。

“What’s the effect of today’s Japanese youth participating in new digital and global networks? In this original new book, Professor Takahashi explores whether young people are bringing a new cosmopolitan outlook to Japan, changing its culture by changing themselves.”

Sonia Livingstone, London School of Economics and Political Science.

(英国LSE大学院ソニア・リビングストーン教授 推薦書)

About Toshie Takahashi

Toshie Takahashi is Professor in the School of Culture, Media and Society, Waseda University, Tokyo and Faculty Associate at the Harvard Berkman Klein Center for Internet & Society. She has held visiting appointments at the University of Oxford and the the University of Cambridge as well as Columbia University. She conducts cross-cultural and trans-disciplinary research on the social impact of robots as well as the potential of AI for Social Good. 【早稲田大学文学学術院教授。ハーバード大学バークマンクライン研究所ファカルティ・アソシエイト。ケンブリッジ大学ならびにコロンビア大学客員研究員。現在、人工知能の社会的インパクトやロボットの利活用などについて、ハーバード大学やコロンビア大学、ケンブリッジ大学と国際共同研究を行っている。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会テクノロジー諮問委員会委員。】
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